形成外科

診療・各部門

診療科からのメッセージ

頭から足の爪先まで、体の表面とそれに近い組織の外傷、腫瘍、先天異常などに対し、『より正常に近く、機能的にも改善させる』診療科です。体の表面の気になること、傷跡など下記のことでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

主な症状・病気

  • 生まれつきの異常(口唇顎口蓋裂、多指(趾)症、合指(趾)症、副耳、耳瘻孔、副乳など)
  • 体表のけが(擦過創、切創、挫創、動物咬創、熱傷、皮下血腫など)
  • 顔面骨の骨折(鼻骨、頬骨、眼窩底骨折)
  • 治りにくいきず(糖尿病性足潰瘍、静脈うっ滞性皮膚潰瘍、褥瘡、壊疽など)
  • できもの(母斑、疣贅、粉瘤、脂肪腫、血管腫、皮膚悪性腫瘍など)
  • きずあと(肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮)
  • まぶたが下がって見えづらい(眼瞼下垂)
  • わきが(腋臭症)
  • 爪の食い込みによる炎症(陥入爪)
    ※巻き爪に対するワイヤー治療は当院で扱っていません
  • その他(副耳、耳瘻孔、耳垂裂、副乳、毛巣洞、慢性膿皮症など)
  • 自費治療:炭酸ガスレーザー(ほくろ、老人性イボなど)

診療の特徴

1) 患者さんの状態に合わせた治療を提供します

形成外科で取り扱う疾患は、患者様ごとに症状が少しずつ異なることが多く、一人ひとりに適切な治療を選択していく必要があります。
当院では患者さんに十分な説明の上、その方にとって最良の医療を提案することを基本理念としております。

2) 豊富な治療経験

35年形成外科医として一意専心に奉職しており、最近3年間でも毎年400件以上の手術治療を行っています。
確かな経験知にもとづいた質の高い治療を提供します。

3) 高度専門施設との連携

さらに専門的な治療が必要な場合は、近隣の病院や昭和大学病院形成外科へ医療連携を行っております。
緊急を要することも多いため関連病院への迅速な紹介もいたします。

関連情報

病状の解説について、一般の皆さま向けのコンテンツをご利用いただけます。
外部リンク:日本形成外科ホームページ

スタッフプロフィール

医師名 専門領域/資格 一言コメント
業績等

【部長】
大塚 尚治
(おおつか たかはる)

大塚 尚治

(昭和大学卒)
所属・出身医局:昭和大学形成外科学教室

<専門領域>
形成外科一般

<資格>
日本形成外科学会形成外科専門医・領域指導医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医
再建・マイクロサージャリー分野指導医
日本創傷外科学会専門医
日本褥瘡学会認定医師
日本臨床皮膚外科学会専門医
臨床研修指導医

身体外表の先天異常、皮膚腫瘍、組織損傷の修復、褥瘡管理を得意としています。
今後は、頭頸部・四肢軟部組織損傷、褥瘡にかかわるチーム医療の分野に取り組みたいと思っています。

【医師】
比嘉 理圭
(ひが あやか)

大塚 尚治

(鹿児島大学卒)
所属・出身医局:昭和大学形成外科学教室

<専門領域>
一般形成外科
顔面などの再建

診療する主な疾患の解説

対象疾患

1. 生まれつきの異常

(ア) 口唇顎口蓋裂
上口唇と鼻翼のかたちを整え、鼻と口の間(顎裂と口蓋裂)をふさいだ上、小児歯科医・矯正歯科医と連携しかみ合わせを整え、言語視聴覚士と連携し鼻咽腔閉鎖機能、言語構音障害を改善させます。また、全例で中耳炎を合併するため耳鼻科医とも連携します。

図1

(イ) 不全口唇裂
上口唇の赤唇のかたちも整えます。

図2

(ウ)母指多指症
過剰な指をとり、関節を形成し腱を移行して指の動きを整えます。

図3

(エ)合指症
指間を作製し手指の使いやすさを改善します。

図4

(オ)小耳症
肋軟骨でフレームを作り、さらに外耳道を作成します。

図5

(カ)埋没耳
側頭部に入ったままの耳輪を持ち上げて形を良くし、眼鏡がかけられるようにします。

図6

2. 外傷

(ア) 外傷性組織欠損
左右足に機械に巻き込まれたための、皮膚皮下組織などの欠損があった患者さん。このままですと骨髄炎等を併発し踵骨・中足骨が壊死し、歩行できません。広背筋と前鋸筋を同時に移植し、同じサイズの靴を履いて歩行できるようになりました。

図7

(イ) 軟部組織欠損
踵部 反対側の足から皮膚軟部組織を移植し歩行可能となりました。

図8

(ウ) 鼻骨骨折
折れた鼻骨を整復して鼻背の高さをもとに戻します。

図9

3. 母斑

気になる大きなできものも目立たないように直します。全切除して皮弁で修復しました。

図10

4. 腫瘍など

(ア) 皮膚の悪性腫瘍
悪性腫瘍切除による皮膚欠損部も皮弁を用い目立たないように修復します。

図11

5. 外傷後遺症の治療

(ア) 手指の瘢痕拘縮
ポットの蒸気で受傷し手指の瘢痕拘縮(伸展できない、屈曲したままの指の状態)を起こしていました。植皮術を行いました。

図12

(イ) 瘢痕拘縮(ケロイド)
怪我や火傷によるひきつれを改善します。

図13

(ウ) 外傷性禿髪
怪我や火傷によってできた傷跡から毛髪が生えない状態です。皮膚の下にある毛包が破壊されてしまうと、その部分から毛髪が生えてくることはありません。本例では、組織拡張器により頭皮を進展させ禿髪部分を修復しました。

図14

6. 眼瞼下垂症

手術することで視野が改善し顔貌も生き生きと改善されます。

図15

7. 下顎形成術

写真は口腔内アプローチで下顎おとがい部のみを修復したものです。その他の上下顎の病変は矯正歯科医・歯科口腔外科と共同して行います。歯のかみ合わせを改善し、顎関節など周囲組織の機能の正常化を図るための手術です。

図16

8. 褥瘡(とこずれ)

保存的治療(外用剤、ドレッシング材)や物理療法でも治らない場合に外科的治療を行います。

(ア) 尾骨部褥瘡
大殿筋を含む有茎皮弁を回転し褥瘡部を被覆、採取部は縫縮しました。

図17

(イ) 仙骨・坐骨部褥瘡
2つの有茎皮弁で修復しました。

図18

(ウ) 坐骨部褥瘡
左薄筋皮弁で修復しました。

図19