診療・各部門

7名の日本整形外科学会専門医を中心に、通常・救急診療にあたっております。最新の知識を導入し、エビデンスに基づき、患者様に合わせた最適な治療を選択するよう努めております。手外科、上肢外科の実績が豊富で、以前より多くの診療機関から患者さんをご紹介頂き、精力的に治療してきました。最近ではスポーツ外傷、肩関節疾患、膝関節疾患症例を紹介いただくことも増えております。骨折などの一般外傷、股関節疾患、関節外科などを得意とするスタッフも揃っており、幅広い疾患に対応できる体制を整えております。また、大学病院と密接に連携し、高度先進医療が必要な患者さんは、しかるべき治療機関への紹介も可能です。気軽にご相談ください。
【部長】
保科 克行
(ほしな かつゆき)

昭和大学卒
【所属・出身医局】
昭和大学形成外科教室
<専門領域>
形成外科一般
<資格>
日本形成外科学会形成外科専門医・領域指導医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医
再建・マイクロサージャリー分野指導医
日本創傷外科学会専門医
日本褥瘡学会認定医師
日本臨床皮膚外科学会専門医
臨床研修指導医
《コメント》
患者さんの立場に立ち、その方に最善と思われる検査や治療を共に考えて、手助けできる存在でありたいと願っております。
【医師】
保科 克行
(ほしな かつゆき)

昭和大学卒
【所属・出身医局】
昭和大学形成外科教室
専門分野
形成外科一般
資格
内科認定医・感染症専門医
コメント
肩関節、肘関節でお困りの方に多く受診していただいております。
当院のリハビリは皆様にご好評をいただいております。それでもお悩みが取り切れない方は関節鏡(内視鏡)での手術をご提案しております。お気軽にご相談ください。
【非常勤医師】
保科 克行
(ほしな かつゆき)

昭和大学卒
【所属・出身医局】
昭和大学形成外科学教室
<専門領域>
形成外科一般
<資格>
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医・教育研修指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
《コメント》
ガイドラインを基本にしつつ、患者さんが何を望んでおられるかを考慮して治療方針を決めることが、最も大切と考えています。
変形性膝関節症とは
加齢に伴い膝の組織が変形し、痛みを伴う病気です。
日本国内における変形性膝関節症の推定患者数は症状のある方が820万人、潜在的な患者数は2400万人と推定されています。また昨今の高齢化によりその患者数は増加すると予想されています。
変形性膝関節症はそれだけみなさんにとって身近な疾患と言える病気です。

大腿骨内顆骨壊死とは
50歳以上の方に好発し、歩行時の急な痛みで発症します。レントゲンやMRIで壊死した部位を確認することができます。初期の場合レントゲンでははっきりと反映されていないことがあり見逃されることがありますが、骨壊死した部分が陥没することで急激に痛みが強くなり、歩行困難となることもあります。
治療方法
保存治療
・消炎鎮痛剤 (飲み薬、湿布・塗り薬、座薬)
・リハビリテーション(筋力強化、可動域訓練、物理療法)

・体重コントロール
・ヒアルロン酸注射
・関節内穿刺
・生活様式の改善(和式から洋式生活へ、正座を避ける、膝を温めるなど)
以上の治療を行っても、痛みが軽減しない方に対しては手術を提案させていただいています。
手術と一言に言っても膝関節の病期や手術を受ける方の背景によって方法が異なります。当院ではそれぞれの患者様に合わせたベストな手術方法を提案させていただきます。
手術治療
1.関節鏡下滑膜切除術
2.骨切り手術 高位脛骨骨切り術:HTO (High Tibial Osteotomy)
3.人工膝関節置換術:TKA (Total Knee Arthroplasty)
1. 関節鏡下滑膜切除術
関節鏡という直径4mmのカメラを用いて行います。
とても小さなカメラなため、傷は1cmに満たない大きさで手術することが可能です。関節内の痛みの原因となる滑膜という組織や、変性してしまった半月板などを取り除く手術を行います。また関節を洗浄する効果もあります。
術後早期から体重をかけて歩行することができます。痛みに合わせて、早期の退院も可能です。
メリット | デメリット |
手術侵襲が少ない 効果が一次的な場合が多い | 早期復帰が可能である |
2. 骨切り手術 高位脛骨骨切り術:HTO (High Tibial Osteotomy)
脛骨という骨を切って角度を変えることで、足全体のアライメントを変える手術です。元々、人工関節がなかった時代に行われていた手術ですが、技術の進歩により良好な内固定材(プレートや人工骨)が出来、ここ数年で再注目され、症例数は増加してきています。
内側開大型高位脛骨骨切り術症例数

この手術を行うには、変形が少なく外側の軟骨が残っていることが条件となります。手技的に熟練を要するため、行われている施設が少ない手術です。
自分の関節を温存することができるため、術後のスポーツ復帰も可能です。そのため壮年期の方、高齢の方の中でもスポーツを行う方が対象となることが多い手術となります。
レントゲン画像のように脛骨の内側から骨を切り、人工骨とプレートを挿入します。関節鏡の手術も織り交ぜ、骨棘(赤丸部分)の切除や半月板の処置も合わせて行います。
手術前と手術後の下肢全長レントゲンを比較すると、手術前には内側にあった荷重線(赤)が手術後には外側に移動しています。内側へのストレスが軽減するため、痛んでいた内側の骨や軟骨、半月板の環境が良くなることで痛みが軽減されます。

膝関節レントゲン(左:手術前 右:手術後) 下肢全長レントゲン(左:手術前 右:手術後)
手術の翌日から車椅子移乗や足首を動かす練習を始めていきます。手術後3日目から関節の曲げ伸ばしの練習を開始していきます。この時期から体重をかける練習を開始していきます。徐々に負荷する体重を増やしていき、早ければ2週間で全部の体重をかけることが出来ます。順調にリハビリが進めば術後2−3週間を目安に退院が可能です。
メリット | デメリット |
自分の膝が温存される スポーツや重労働が出来る 正座など深く曲げる動作が出来る | 骨が癒合するまで多少の痛みが残る リハビリをしっかり行う必要がある 深く曲げることが困難になる |
3. 人工膝関節置換術:TKA (Total Knee Arthroplasty)
大腿骨・脛骨の表面の骨を削り、関節の全てを人工物に置き換える手術です。日本では40年以上前から行われている手術です。高齢化が進む中、現在も症例数は増え続けており、全国で年間9万例にもなります。関節を全部入れ換える手術のため、レントゲンのように膝関節の変形がとても強くなってしまっても、手術を受けることが可能です。
手術の翌日から車椅子移乗や足首を動かす練習を始めていきます。手術後3日目から関節の曲げ伸ばしの練習を開始していきます。この時期から体重をかける練習を開始していきます。全ての体重をかけることができるため、早期から歩行訓練を開始することができます。術前の筋力にもよりますが、平均的に術後1ヶ月程度の入院が必要となります。
人工関節置換術は末期の膝関節症に対して行われる手術のため、対象となる方の年齢が高くなる傾向にあり、それに伴い術後のリハビリも長くかかる傾向にあります。当院では地域包括病棟があるため、急性期を脱した患者様はそちらでリハビリを続けて退院を目指していただくことが可能です。

メリット | デメリット |
痛みを大幅に改善することが出来る 脚が真っ直ぐになり歩容がよくなる 入院期間が短く済む | 自分の膝がなくなる 金属が摩耗・緩むことがある 深く曲げることが困難になる 感染に弱い |
関節鏡下滑膜切除術 | 骨切り手術 | 人工関節置換術 | |
メリット | ・手術侵襲が少ない ・早期復帰が可能である | ・自分の膝が温存される ・スポーツが出来る ・正座が出来る | ・痛みの大幅な改善 ・脚が真っ直ぐになる ・歩容がよくなる ・入院期間が短く済む |
デメリット | ・効果が一次的な場合が多い | ・骨癒合まで痛みが残る ・しっかりしたリハビリが必要 | ・自分の膝がなくなる ・金属が緩むことがある ・深く曲げられない ・感染に弱い |
膝関節についてお困りの際はお気軽に受診下さい。
(文責:整形外科 鈴木 達矢)
