当院は当初船員のための職域病院として東京都渋谷区南平台に「船員保険渋谷病院」として開設されました。昭和26(1951)年に港区高輪(現在地)に「船員保険東京中央病院」として移転・開院し、平成11(1999)年「せんぽ東京高輪病院」に改称、平成26(2014)年から独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)へ移行し、「JCHO東京高輪病院」として再出発してから9年目となりました。
品川駅にほど近い交通至便な地にあり、中規模病院として機動的で品質の高い医療の提供が求められている病院です。救急指定病院(第二次救急)として地域医療に貢献してきましたが、「急性期医療・回復期リハビリ・介護」の切れ目のない地域医療を提供するために、平成26(2014)年10月に「地域包括ケア病棟」を平成27(2015)年に「医療連携・患者支援センター」を設置しました。地域包括ケア病棟では、がん、心筋梗塞、脳卒中などに対する急性期の治療が終了し病状が安定した患者さんが、退院後ご自宅や地域で安心・安全に生活できるように身体の状態を整える支援を行います。医療連携・患者支援センターでは、患者さんの受け入れ、診療を受ける際の困りごとを解決するお手伝いを行い、さらに院内設置の「たかなわ訪問看護ステーション」が退院後も安心して療養生活が送れるよう、かかりつけ医と連携を取りながら、患者さんとご家族のご要望に沿った適切な看護を提供します。
2020年1月から始まったコロナウイルス感染症に対しては、2020年3月から、疑い患者さんを含めた受入れ体制、PCR検査体制、発熱外来を整備して対応しています。現状では、東京都の要請や感染状況を鑑み、通常診療のアクティビティを維持するため、職員一丸となって努力しています。
診断・治療法の多様化・複雑化、高齢化や西欧化による疾病構造の変化、患者さん対医療者関係の変容、多職種による診療など、医学・医療は日進月歩で進化しています。また2024年4月から始まる医師の働きかた改革により医療の提供の仕方は大きく変わることになるかもしれません。当院ではこのような医療環境の変化に対応しつつ、地域に必要とされる「心のこもった医療を安全に提供する」病院を目指して成長していきます。今後ともよろしく御願い申し上げます。
令和4年4月
独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 東京高輪病院
山本 順司
【経歴】
1981年 6月 東京大学医学部附属病院第一外科 研修医
1982年 9月 茨城県立中央病院 外科医員
1985年10月 東京大学附属病院第一外科 医員
1989年 6月 国立がんセンター中央病院 外科医員、医長
2001年 4月 癌研究会附属病院 消化器外科 医長
2008年 4月 防衛医科大学校 外科学講座 教授
2018年 7月 医療法人社団 誠馨会 新東京病院 副院長
2020年 2月 茨城県立中央病院・地域がんセンター 副院長
2022年 4月 独立行政法人地域医療機能推進機構 東京高輪病院 院長
【専門医等】
日本外科学会 専門医
日本外科学会 指導医
日本消化器外科学会 専門医
日本消化器外科学会 指導医
消化器がん外科治療認定医
日本肝胆膵外科学会 高度技能指導医