院長からのご挨拶

当院は昭和26年5月19日に開院し,本年で創立65年を迎えました。当初は船員のための職域病院として出発しましたが、平成26年4月からは独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)へ移行し、名称が「せんぽ東京高輪病院」から「JCHO東京高輪病院」に改められました。
当院は急性期病院として地域医療を担ってきましたが、平成26年10月より病棟の一部を「地域包括ケア病棟」として運営を開始し、地域包括ケアの要となり安心して暮らせる地域作りに貢献できるよう、職員一同心を新たにして、取り組んでいます。そこで、近隣の医療施設や介護施設と連携して、患者さんが円滑に入院し、また退院できるように支援するために「医療連携・患者支援センター」を平成27年2月に設置しました。さらに、救急隊、かかりつけ医、近隣の病院、関係諸機関からの診療依頼は全職員一丸となって可及的速やかに受け容れることを基本姿勢として徹底しています。
また、時代の要請に応えて、従来の専門分化した診療科に総合内科・感染症診療といった横断的な診療や栄養サポートチーム、呼吸サポートチームなどの診療科横断的な診療支援も充実させています。医師間・診療科間・多職種の連携を強化して、より巾の広い疾患や病態を安全に診療する体制の構築を目指しています。
当院は増加しつつある訪日外国人にも対応しています。当院は交通の要衝である品川駅からもっとも近い公的な総合病院で、近くには質の高いホテルが林立しています。このようなことから外国人の受診が激増しています。そこで、当院では「国際部」を立ち上げ、インターナショナルクリニックも開設し、英語・中国語・ロシア語・イタリア語・ドイツ語などに対応しています。平成27年8月には「医療通訳拠点病院」に指定されました。
研修医の確保は病院の質と活力を維持するために必須です。当院は平成27年度より基幹型研修病院として1学年4名の初期研修医をとることができるようになりました。そこで、地域医療を担う守備範囲の広い総合診療能力を有する医師を育成することを目的に「プライマリケア臨床研修センター」を立ち上げました。若手医師の教育も当院の重要な社会的な使命のひとつです。
以上のように、当院はJCHOに移行して、全職員が創意工夫をしてより地域密着型の病院として、また、安心安全な医療を提供して行く病院として発展していけるように努力をしています。今後とも、変わらぬご支援とご鞭撻を賜れば幸いです。
平成28年4月
木村健二郎
